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12月20日

講義に出てから郡山へ。盛岡にも東京にも行かない高速バスに乗るのは初めてでよそよそしい気持ちになる。花屋で橙のラナンキュラスを買った。花屋のおばさんに「この花は、これからなのよ」と言われる。花言葉は秘密主義。

 

郡山駅のエスパルは改装前のフェザンによく似ていた。福島弁の男子高生3人がクリスマス死んでくれ、と言っているのを聞いてかわいらしく思う。和也にいま郡山にいる、とLINEし、「ルーツ巡業ですか」と言われる。ルーツ巡業、まあ、そんなところです…

 

先輩と待ち合わせてスーパーへ行き、コインランドリーへ行き、家に泊まった。先輩がひっつみを揉む間、わたしはえびの生春巻きを作った。逃げ恥を見て、酎ハイと梅酒を飲み、ビエネッタを崩し、みかんを剥いた。たくさんの話をした。ほんとうにたくさんの。先輩は最後まで聡明だった。わたしは先輩のことを見くびっていたんだと思った。先輩のことを尊敬する。わたしもそういう女になりたい。先輩はかわいくて、胸が大きくて、わたしの男の部分が抱きたいと思った気がした。

 

「かわいそう」と言われて驚いた。かわいそう、いちばん相応しくないけれど、いちばん言われたかった言葉のような気がした。そんなつもりじゃなかったのに泣いた。れいんちゃんのそういうとこ全部今更かよってわかってて、それでも好きなのよ。と言われた。わたしのこころのセーブポイントみたいな人だと思った。「優しさのつもりだろうけど他人だって自分の人生に精一杯でれいんちゃんのことばかり見ていられないんだよ、傷つけたかどうかなんて気にしなくていい、そんなこと言わなくていい」先輩は死んでもわたしの先輩。ともだちじゃなく、先輩。5時にようやく布団に入ったのに、結局6時まで喋っていた。山積みのノートに書かれた手書きの日記の中に、わたしのことはどれだけ書かれているのだろう、と思いながら眠った。